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英語偏差値30からカナダ東海岸St.Thomas Universityに留学。卒業後2009年4月、某財閥系総合商社へ入社。
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今日は、高輪グランドプリンスホテルにて、
日経BP社の主宰する「日本イノベーター大賞2008」の授賞式に参加してきました。


受賞者は次の3人


優秀賞  株式会社ファインパーツ 代表取締役 黒田義光 
       (http://www.fineparts.co.jp/)

       住友化学株式会社 農業科学部門 主観 伊藤高明
                 (http://www.sumitomo-chem.co.jp/csr/africa/)


大賞    米マイクロファイナンス・インターナショナル・コーポレーション(MFIC)
       社長 兼 CEO 枋迫篤昌
                 (http://www.mfi-corp.com/default.asp)
                 (http://business.nikkeibp.co.jp/article/topics/20061030/112688/?P=1)


日経BPのメルマガを購読していて、
偶然イノベーター大賞の告知を見つけ、応募してみた。
運よく参加権を頂いたので行って来ました。



株式会社ファインパーツは、
ボールペンやケータイ電話などの小型機械などに使われる
スプリング、ばねを製作している。

ボールペンのシリコンボールを押し出すばねは
ものすごく小さくなくてはならず、
ばねの太さは髪の毛の太さの5分の1にもなる。

「電子機器などの部品はますます小さくなる」との傾向に着眼した
黒田氏は、いち早く小さなスプリングの製作を開始。
現在では世界の小スプリングシェア90%を誇る。


住友化学の伊藤氏は、年間5~6億人が感染し、
100万人以上の人が死に至るマラリアの「除去」を画策。
そのために、特別な薬品を繊維に編みこんだ蚊帳を開発する。

そもそも蚊帳を使う習慣のないアフリカで
蚊帳の使用を促進するのは簡単ではない。

しかも、高温多湿のアフリカでは、
蚊帳を使ったところで網目が細かすぎて内部に熱がこもり、
暑さに耐えられず蚊帳の使用をやめてしまう人が多数いた。

そこで伊藤氏は、蚊が嫌う特殊な薬品を蚊帳の繊維に折込み、
蚊帳の網目を大きくしても蚊が通過しないようにし、
たとえ通過しても吸血能力を絶つ蚊帳を作り出した。

結果としてある村では、年間59人いたマラリア感染者が0になり、
タンザニアの首都アルーシャ近くに工場を作り、
3000人もの雇用を創出した。


マイクロファイナンス・
インターナショナル・コーポレーション(MFIC)
は、
アメリカの南アメリカからの出稼ぎ移民の母国への送金問題に着目。

出稼ぎ移民はアメリカでは信用が無く、銀行口座を作ることができない。
しかし給料は小切手でもらうことが多く、
現金化するには町の商店で不正に行うことがしばしばある。

そしてこの現金化で手数料5%ほどを取られ、
銀行などから母国に送金するために手数料が15~20%取られ、
そして、為替知識のない送金者は為替手数料で更に数10%を騙し取られる。

結果として、稼いだ給料の50%近くが
送金するまでの手数料で消えてしまうという問題があった。

そこで枋迫氏は、小口単位(200ドル位)での送金用のお金を集め、
一度に彼らの母国へ送金し、手数料を3%ほどに抑えるとともに、
母国での開発援助、融資(マイクロクレジットなど)に役立てるシステムを作った。



 
                                                                Retrieved from MIFC



すごい。。。
金融という第三次産業の最先端の技術を、
それにアクセスする機会さえ持てない
途上国からの移民のために再構築する。。。


銀行マン時代にメキシコで目の当たりにした貧困の衝撃を忘れずに、
銀行でその道のプロフェッショナルになってから
それの技術を途上国のために捧げる。

ワシントンの会議で「移民の送金」が「議論」されるだけで終始する中、
「これではいけない」、と自ら変化を創りだした枋迫氏。

「出稼ぎ移民の海外送金」という、
一見、途上国貢献としてはニッチ的な分野を追求し、
途上国と先進国の金融システムの関係のあり方そのものにまで影響を与えている。


そして、ただの「援助」で終わらせないための利益スキームの構築。


若い頃の思いを何十年も忘れずに持ち続ける情熱と、
そして自分に必要なスキルが揃ったと思った瞬間に行動に移す実行力。
後列で話を聞いているだけでゾクゾクした。

今日の受賞式では、枋迫氏は終始柔らかい笑顔を見せていたが、
このビジネスを立ち上げるために想像を絶する苦労があったに違いない。




銀行に対する不信感を持っている移民達をどうやって説得するのか。



そもそも銀行、金融の意味を分かっていない移民にはどう説明するのだろう。



途上国での金融インフラ整備は簡単にはいかないだろう。



現地でMFICの店舗を立ち上げる時も、裏切りなどがあったかもしれない。




幾多の試練を乗り越えて、自分の持っているスキルを最大限に活かして、
現実的なビジネス性と途上国貢献の社会性を両立したスキームを作る。。。
そしてそれが、根本的な先進国と途上国の関係の再構築を促している。。。

すごすぎる。


グラミンバンクのムハマド・ユヌスがノーベル賞を取った時は、
「こんな画期的な途上国貢献があるのか!」と度胆を抜かれたけれど、
地球の反対側では、それに深く関わってビジネスを興している日本人がいた。

そして、行き過ぎた金融システムが世界経済を揺るがしている今、
MFICのように、本当に世の中に必要な、実需に基づいた金融システムを提示することは、
金融のカタチ、あるべき姿を人々に問い正させる意味を持つのだと思う。




日本人、凄い。




今日の授賞式では、
俺が大学2年の頃からずっと思い続けてきた
日本人の可能性を目の当たりにした。

アジアンバリュー

日本の持つ世界のどこにも負けない「技術力」。
そして、宗教、政治などの偏見を超えて
アフリカ、アジア、欧米、ラテンアメリカ、ロシア・・・
どこでも対等に闘っていける「中立性」。

日本人はまだまだ、もっともっと世界で闘える。




今日は本当にいい刺激を受けた。

俺も頑張ろう!


Imayu


受賞者も凄かったけど、審査員も凄かったwww→ 

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枋迫篤昌さんは先日朝日新聞のbeで取り上げられていたので知りました。
その記事の中で、メキシコ人に出資を頼んだところ「自分も苦労したんだからあいつらも苦労すべきだ」と言われ、アメリカ人には「リターンは?」と聞かれた。
でもある日本人は枋迫さんの志に乗って出資をしてくれたというようなことが書いてありました。
それ読んで「日本人やるじゃん」と勝手に思ってました。笑

細かいことはわからないけど、融資に関してもMFICは焦げ付き率が随分と低いらしいね。
貧しくともしっかり働いて借りたお金はきちんと返す。
当たり前のことだけど、日本人すらそれが出来ているのかと疑問に思いました。

それと、グラミンバンクの時も思ったけど、「信用されている」という誇りが人を動かすのだと思いました。
「あげる」という行為は「返せないでしょ」という意味も含まれている気がして、それよりも人間の誇りに働きかけることが必要なんだと思います。

長々と失礼しました。

hatogai EDIT
at : 2008/11/28(Fri) 02:41:06
無題
ゆーたが将来なんらかの形で受賞してる姿が目に浮かぶよ☆ そしてゆーたには可能だと思う。
Mana EDIT
at : 2008/11/28(Fri) 09:45:31
無題
>>hatogaiさん

熱いコメントどうもありがとうございます!

そうですね。「信用」という基盤の上に成り立っているビジネスである以上、人の心に直接訴えかけなければならない。それは、達成するのが難しく時間のかかる回り道であり、一番の近道でもある気がします。

MFICでも利用者が、「初めて人間的扱いを受けた」と言っていたのが印象的でした。

マイクロクレジットも、人を人として扱うDignityに重ねて、コミュニティ内の信頼関係を重視するFriendshipに訴えかけているからこそ成功しているのだと思います(問題も沢山あがっているようですが)。MFICもMC手法を取り入れてこその融資の成功だと思います。

この途上国金融の動きもそうですが、NGO・NPOやソーシャルベンチャーなどの動きを見ても、援助に基づいた上下関係ではなく、「途上国と先進国の対等な関係」が、途上国貢献のカギなのではないかな、と思います。
Imayu EDIT
at : 2008/11/29(Sat) 01:41:26
無題
>>Mana

最近は本当に心を芯から動かされるような経験が多くて、俺は本当に恵まれてると思う。

まだまだ手探りの状態だけど、もっともっと、もっと前に進んでやる。
Imayu EDIT
at : 2008/11/29(Sat) 01:48:06
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HN:
Imayu
年齢:
38
性別:
男性
誕生日:
1985/05/13
趣味:
ドラム・筋トレ・読書・旅行・絵描き・マグカップ収集 etc...
自己紹介:
英語偏差値30の高校時代を経て、カナダ東海岸、St.Thomas Universityに留学。政治科学と人権学を専攻。専門はアフリカ人権問題とドイツ政党政治。2009年4月付けで、某財閥系総合商社へ入社。

先進国に生を受けたからには世界を相手に何か出来る事が、すべき事があるんじゃないか。「『日本人として』、世界という舞台で闘い、途上国の人々の未来を創る」という夢に向かって邁進中。ビジネスを通した途上国貢献の道を模索中。

''Watch your thoughts; they become words.
Watch your words: they become actions.
Watch your actions: they become habits.
Watch your habits; they become character.

Watch your character; for it becomes your destiny.''

※メール→imayu_canada[at]yahoo.co.jp(ブログ用)
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