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英語偏差値30からカナダ東海岸St.Thomas Universityに留学。卒業後2009年4月、某財閥系総合商社へ入社。
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<Realistic Dreamシリーズ進行中>

Realistic Dream (1) I am so lucky... 

Realistic Dream (2)  Top Down & Bottom Up

Realistic Dream (3)   The Third Path



国際機関やNGOの国際貢献、途上国貢献のやり方に納得できず、
偶然、商社のニュース記事に出会う。
ビジネスを通した国際貢献のやり方に深く興味を持ち、
商社を受けることを決意する。
商社を自分のキャリアとして考えた時に幾多の心配もあったが、
メリット、デメリットを考慮した結果、
今自分が取れるベストな選択だという考えに至る。






                                                          Vermeer  ''Woman holding a balance''


僕は商社を受けることに決めた。
しかし、商社について詳しく調べていくにつれて、
デメリット、心配すべき点もわかってきた。



インフラがやりたくても、その部署に配属になるかわからない・・・



それどころか、営業職にさえ関係ない財経理税務の仕事も有り得る・・・



年功序列、組織の強い力・・・日本企業特有の風土・・・



変わってきた事業形態、事業投資ビジネスでどこまで現場に関われるか・・・




心配な事はいくつもあった。
しかし、考えてみれば、
これらの心配事はある意味、取り越し苦労。
所詮入ってみなければわからない仕事の現場。
ましてや、ただでさえ事業内容が把握しづらい商社の仕事。

事前にあれこれ考えすぎて
大切なことを見過ごしてしまうのは僕の悪い癖。
ここはひとまず落ち着いて、
デメリットとメリットを比較してみることが大切と思った。

さんざん悩んで、ビジネスを通しての国際貢献、という所まできたのだから・・・


<デメリット>

デメリットと言っても、
商社で働いて自分にでる悪影響などなかなか想像し得ないもので、
心配事とデメリットはほぼ同じものとして考えていた。


1.インフラビジネスに携われない可能性

2.日本企業特有の風土によって思うように学びたいことを学べない可能性

3.近年の事業投資型ビジネスへのシフトによるイメージギャップ

4.利益至上主義マインドを刻み込まれてしまう可能性


などが心配だった。
配属や企業風土の心配に加えて、
収益形態が事業投資に移ったことによって、
現場に関わる仕事が減ってしまうのではないか、
という懸念と、

「生馬の目を抜く」と言われる商社のビジネスに携わって、
利益を追求するマインドが強くなってしまうのではないか、
という心配があった。

商社の社員に実際に話を聞けば、
ある程度解消できるであろう心配ではあったのだが、
大学からでた商社に入ったOBがゼロ、皆無であった僕は、
やっとの思いで2人の社員に会えただけだった。

結局、全く疑問が晴れず、ここで商社で働くメリットを考えた。
すると、意外なことに、商社という環境に身を置くことは、
たとえインフラ事業に関われないとしても
自分にプラスになるのでは、と考えられた。


<メリット>

1.海外経験が豊富に積める

これは自分にとって最低条件だった。
途上国貢献を目指す人間として、
英語をツールとして使うことは当然と思っていた。


2.悪くない給料

さんざん無理を言って親に負担をかけてきたので、
せめてある程度の恩返しができれば、と思っていた。
そして、もし自分がやりたいことが商社で実現できなかった時、
その時行動に移す時の資金にできると考えた。


3.日本でビジネスを起こす、事業経営の経験ができる数少ない業種

これは自分にとって最も重要で、
最終的に商社を就職先とした決め手となった。


「なんでImayuはそんなにやりたいことが明確にあるのに自分でやらないんだ?」


「なんだ。Imayuは起業したいのか?」



親友にそう言われた。



その時僕はハッとした。
そうか、自分で創ればいいのか。

今はインフラを通して途上国に貢献できれば、という思いがあるが、
もしできなかった時は、自分の納得できるカタチで夢を実現すればいい。

もちろん口で言うほど簡単なことではない。
しかし、色々な道を考えて心から自分が納得して
夢を実現できる場所を見つけられていなかった自分にとっては、
その一言が新しい選択肢を与えてくれた。

より多くの人に自分の悩みを聞いてもらうにつれて、
沢山の友人からも、両親からも、妹からも
同じことを言われ、次第に確信を持ち始める。


そして商社の話に戻る。
近年の事業投資型ビジネスモデルへの移行によって、
商社の業務は、資金とヒトの両方を投資し、
その投資先の計数、事業管理することが主となった。

商社の仕事はそもそも利益を生む仕組みを作り出し
その仕組みを経営することによってリターンを得る。

こういった業務を通じて経営のノウハウを学べるのは商社だけだと思った。
利益を生む仕組みを見つけ出す力を付けられるのも商社だけだと思った。

そして、将来自分の本当に納得の行くカタチで夢を実現しようとした時に、
自分に最もプラスになるスキルがつけられると思ったのが商社だった。



こう考えて、商社は自分にとってベストな選択肢だと確信した。



ちなみに、インフラにこだわって、
某大手重機メーカーも一社だけ受けたが、
最終的に上記の理由で断った。



長い目で見て、自分の夢に近づけるのは商社だと思ったから。


もちろん不安もあるけれど、ここまで悩んで決めたのだから、


一生懸命、頑張ってみよう、と思った。




ようやく自分の進むべき道が見え始めた気がした。





・・・

そこで、友人が僕にとあるベンチャー企業を紹介してくれた。

それに僕は大きな衝撃を受けることになる。


自分の進もうとしている道が間違っていないという確信と、
一方で、本当に前に進むためには一刻も無駄にしてはいられないという焦燥
こんなアンビバレンスを感じるきっかけとなった。


Imayu



昨日電車で就活セミナーから帰ってきた学生を見かけました。
ガンバレ!→ 

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ご無沙汰しております。
Imayuです。

ちょうど1週間前の月曜日に帰国したのですが
それ以来バタバタしておりました。
今日やっと落ち着きました。
またすぐバタバタコしてきますが。

ということでバングラデシュ旅行編ですね。

「旅行」と言っても、
ドイツや東ヨーロッパに行った時とは
随分趣きの違った旅行になりました。

毎日色々な人に会って沢山の話を聞き、
NGOの現場を見、貧困の現場を見、
バングラデシュの文化、人、経済、教育などを肌で感じ、
毎日毎日頭がぐるぐる回っていました。

そんなわけで、なんだか気が付いたら、
勉強旅行・合宿、みたいな感じになってしまいました。


ちなみに、結局カルカッタにはいけませんでした。
だって電車で16時間くらいかかる上に
1週間に1本しかない。
2週間の予定で航空券も取ってしまっていたので、
カルカッタに行ってしまったら帰れなくなってしまう!!!
ので、ダッカのインド大使館でビザは取りましたが、
インドには行かずじまい。行きたかったなぁ。


言ってしまえば、観光産業が全くと言っていいほど発達していない国なので、
観光名所も特に無く、ここだけは行っておけ!というような場所もない。

結局首都ダッカ以外に訪れたのはバングラ北東端のシレットのみ。
でも、行くところ行くところで会う人に恵まれ、
本当に良い勉強させてもらいました。
(沢山騙されもしましたが、それもまた楽しかった)



アカデミック、NGO・NPO、国際機関、ビジネス、


災害、病気、食糧価格高騰、汚職、デモ・・・


あらゆる方面で最後の最後に必ずと言っていいほどその姿を現す謎の国、


バングラデシュ。


その正体を自分の足で探ってきました。


そうか、そうだったのか。


これがバングラデシュ。


自分なりの答えを見つけてきました。



そんな旅行。



訪れた場所が少ない上に勉強旅行というかなり特殊なことになってしまったので、
今回のTravel: Bangladeshシリーズの構想には少し悩んでます。

よって今回はトピックを、
プロローグ、ダッカ、バングラの産業(シレットにて)、バングラの文化/人々
というシリーズに分けてみようと思います。


---------------------------------------------------------------------------------------------------

プロローグ。

「ヒト、モノ、リキシャがうごめく国、バングラデシュ。」




10月28日、バンコクの堅い鉄のベンチの上で一夜を過ごし、


翌日午後2時、バングラデシュ、ジア国際空港に降り立った。



入国審査にものすごい時間がかかる。
1人10分くらい。5人くらい並んでいたのでかなり待たされる。
どれだけ慎重なんだよバングラ人よ・・・とイライラ。

自分の番になって、こんなに時間がかかっているのは
ただ審査官のパソコン操作が遅すぎるせいなのだと気付く。
ポチ・・・・・・・・ポチ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ポチポチ・・・・・・・・・
人差し指で必死にボタンを探して押している審査員を見て
怒る気も失せる。

荷物を受け取りセキュリティゲートを発見する。
ものすごい数のバングラ人が呼び止められている中、
真っ赤なバックパックを持った日本人はこっそりと通り抜ける。
(ナイフとか入ってるし。何か言われたら嫌だし。)
後ろで何か言われた気がしたが気にしない。



ゲートを抜け、空港の外に出るドアへ直行。



むわっ、とした熱気とともに、



目の前の鉄のフェンスにびっしりと張り付いた人々に圧倒される。



フェンス際に建った小屋の屋根の上には、子供が数人いてこちらを覗いている。



足元にはいつの間にか足が変な方向に曲がった子供が寝転んでいる。



知人との落ち合い場所の駐車場の建物の方に目をやると、



沢山の人が、老若男女、警備員に制止されつつこちらを見ている。
(圧倒されて写真を撮り損ねた)



絶えず鳴り響く車のクラクションと人々の怒号。



。。。



なんだかすごい所に来てしまった。。。




そこから駐車場側へ移動した。

すると足元にいた子供、ムクッと起き上がって
「ボンドゥー。ボクシーシ。」と手を伸ばしてくる。
恐くなって逃げるように人ごみの中へ。

全員が俺を見てくる。
日本人がそんなに珍しいのだろうか。
また恐くなる。


そこで知人と落ち合い、車で知人宅へ移動した。

北海道で忍び込んだ大学の授業で
知り合いになった教授に紹介を受けた、
この時初めて会う知人に自己紹介をしながら、
頭の中は、この入国の瞬間に目撃したことを整理することで精一杯だった。




あのフェンスに張り付いた人たちは一体何なのだろう。。。

プーッププーッ


                         チリンチリン


俺が素通りした瞬間に起き上がって付いてきた子供は・・・?


                       プププー

                          チリン
ビーップププー


駐車場前の制止されていた人たち、
なぜ全員が俺のことを凝視していた・・・?




プププププーーーーーーーーーーーーー
                 キキキッ



うるせークラクション。。。。。とリキシャ。。。










  初めての途上国、バングラデシュ、入国です。




Imayu


デング熱発症まであと・・・・・日!?→


突然ですが今日から2週間、バングラデシュに行ってきます。



 
                 retrieved from http://4travel.jp/traveler/azianokaze/pict/11338755/



今回の旅の目的は、発展途上国の現状・真実をこの体でしっかりと受け止めてくること、
そして将来自分の夢を実現するための新しいカタチを探してくること。

今まで偉そうなことを言っていて実は
発展途上国に行くのは初めての僕。

ダッカを拠点として、ラシジャヒ、シレット、チッタゴン、
可能であればインド・カルカッタまで回ってきます。
その間にバングラデシュで活躍されている
沢山の人にもお会いする予定です。

かなりドキドキしていますが、
絶対に何かを掴み取ってきます。



思ったよりも航空券が高く、
牧場でのアルバイト代が吹っ飛びました。
お陰でかなりの貧乏旅行を強いられそうです。。。

こんなにダイソーに通ったのは初めてかもしれない。

帰国は11月11日の朝6時。



東ヨーロッパシリーズ、
Realisitic Dreamシリーズ、
中断してしまって申し訳ありませんが、
帰国次第再開しますので、
それまでしばしご容赦ください。


それでは。


Imayu


バングラデシュに行ってみたい→ 

 


<Realistic Dreamシリーズ進行中>

Realistic Dream (1) I am so lucky... 

Realistic Dream  (2)  Top Down & Bottom Up



国際貢献。。。

発展途上国に貢献する方法をずっと探していた僕は、
Top Down式で途上国の現状が見えていない国際機関に嫌気がさし、
苦しい生活と徒労を感じてしまうであろう
Bottom Up式のNGO・NPOにも疑問を感じ、
また振り出しに戻ってしまった。

そんな不安を打ち消すためにより勉強に打ち込んだ。

そして、朝いつものようにニュースをチェックしていた時、ある記事に出会う。







総合商社M、アブダビにて発電事業を受注。

。。。

ん?発展途上国でインフラ?

。。。

そんな仕事があったのか?

。。。

ビジネスか。
インフラを建てることはその国の経済の底上げになるし、
何より発電事業はその地域に電力が通うってことだよな。
今まで電力が無かった所に発電所を建てる。。。

ビジネスを通しての途上国貢献。。。

こんなやり方もあるんだな。
そういえば商社、って聞いたことあるな。
商社マンとか。そういえばどういう仕事してるんだ?
なんで商社マンって言葉があるんだ?

朝はこの程度のことしか考えていなかったが、
学校へ行っても1日中そのことが頭から離れず、
帰宅した瞬間商社について調べ始める。



地下鉄、道路、発電所、海水淡水化装置、排ガス分解装置・・・

人間力が・・・

生活産業、機械、エネルギーから金融事業まで・・・

口銭・貿易仲介ビジネスから事業投資モデルへ・・・

川上から川下までのバリューチェーンを・・・

投資先に人を送り込んで積極的に経営に関わって・・・



漠然としていた商社像が少しずつ明らかになってくる。

この時僕は、
「商社でなら、現場に携わって明確な結果の出せる途上国貢献が、
途上国に貢献すること(Ideal)と利益・明確な結果を出すこと(Reality)
のバランスが取れるんじゃないか」と思い始める。

こんな方法もあったんだ。

この時の僕にとって、まさに目からウロコだった。



特に僕は、途上国のインフラ整備事業のアプローチに大きな魅力を感じた
それには、自分の人権に対する価値観との関係がある。

人権学を専攻しているにも関わらず、
僕は普遍的人権には懐疑的だ。
表現の自由?報道の自由?信条の自由?集会の自由?移動の自由?

これらの価値観は、各文化によってそれぞれ定義されるもの。
文化によっては表現の自由が限定されることだってあるだろうし、
人が何を信じるかを自由に決める前にそこにすでに
宗教文化が根付いていることだってあるだろう。

そこに生まれた大部分の人間は実際
その文化に何の疑問も持たずに生活しているし、
今まで実際そうやって文化は続いてきた。

普遍的人権学の権威Jack Donellyでさえ、
「非人権的な」インドのカースト制度がなぜ大衆に
これほどまでに受け入れられ、秩序を保っているのかを
論理的に説明することを放棄した。

そんな、各文化によって大部分が定義されてしまうような価値観を
(Culturally Relative)
大多数の国連加盟国が世界人権宣言に合意したからと言って
統一なんてできるはずがない。

国連の空気をこの身で感じてきた。
国連なんてただの政治的な道具になりかねない。
その国連で、政治的に採択された「宣言」に
人のHonestyがどれだけ含まれているか。
俺は悲観的にならざるを得ない。

じゃあ、結局人はみな文化ごとに好き勝手やっていていいの?

俺はそうではないと思う。断固として無い。

問題は、人はどこまで普遍的な価値観を持っているか。

人間の欲求や願望を突き詰めていくと、
「生きたい」という気持ちに行き着くと思う。

これだけは、生物として当然の願望であるし本能。
この感覚だけは、世界60億人全員が共感することだと思う。
(様々な外的要因から生まれる自殺志願者は特殊な例だろう。)

だから、自分が人権の中で本当に尊重されるべきだと思うのは、
Right to Life、生きる権利。当たり前だけどね。

生きる権利、これはその他の文化や
場合によっては権利が育つ土壌だと思うし、
逆に、人の生命を犯す可能性の高い文化的習慣であれば、
その是非は問われるべきだと考える。

だから、アムネスティやHRWなどの報道活動については
必ずしも納得していなかった。
「~の文化は表現の自由を犯している」だとか、
「~の国は人の自由を保障していない」だとか。
それは、各文化の習慣もあると思うし、
実際にそれよりまず保障するべき権利があるだろう、と考えていた。
(もちろん、それもしばしば報道されているけれど。)


この、人権学では至極ポピュラーな、
Cultural Relativism-Universal Human Rightsの論争の中で
自分なりに見つけたバランスが生きる権利。

これが、俺が真に納得して尊重できるものだった。

だから、人の生活を保障するためのインフラ開発・整備事業は、
自分の価値観に一番合致するものだった。



Top Downでも、Bottom Upでも無く、
ビジネスを通して、途上国の人々の生活を創る。。。


この時点で僕は、総合商社を受けることを決めた。



・・・のだが、もちろん納得していない点、疑問な点もあった。

細かく調べていくと、
実際に100%インフラに携われるわけではないし、
そもそもインフラ事業自体、
本当に途上国の人々のためになっているのか分からなかった。

所詮インフラ事業もトップダウンなのではないか?

全く関係のない財経理税務部配属になる可能性だって否定できない。


心配な点は山ほどあった。


それでも、総合商社に入る自分のキャリア・将来に対する
メリットとデメリットを比較した結果、
総合商社は、今の自分にとってベストな選択肢となるであろうことを確信した。


このことについて次のエントリーでは書きたいと思う。


※お気づきの方も多いと思うが、このTop Down&Bottom Upや、ビジネスを通しての社会貢献という考え方は、とある僕の尊敬するベンチャー企業の理念にかなり近いと思う。この会社のことは、とある友人が僕に教えてくれたのがきっかけで知ったのだが、衝撃だった。なんというか、うれしい悔しさを感じたし、自分の将来を更に深く考える、大きな出会いだった。


このことについても後々書きたい。


Imayu


Top Down→Bottom Up→Business→ 



<Realistic Dreamシリーズ進行中>

Realistic Dream (1) I am so lucky... 



                                                              retrieved from The United Nations.




何かをしなければ世界は変わらない、
しかし、それには目の前に立ちはだかる余りに大きな壁がある。
そんな現実と理想の狭間で大学生活を過ごしていた。

自分は一体この世界で何ができるのだろう。
毎日、毎日、考えていた。



そこで浮かんできた進路が、
国連、世界銀行などの国際機関と、
NGO、NPOなどの草の根機関

本気で国連を目指したし、入るつもりでいた。
そのための名誉プログラムでもあった。

ただ、毎日国際機関について学んで、
その山のような欠陥を分析してきただけに、
本当にここで、途上国の現場に届く仕事ができるのか?
と疑問に思っていた。


国連に実際に行ってスタッフを質問攻めにした。
国連の問題点や欠陥について沢山尋ねた。
答えは、Yes, that's a good point, but we ~.
という抽象的なものばかり。

彼の答えには満足できず、
時期的には少し遅れてしまったが、
より具体的に国連の機能性を確かめるため、
模擬国連も参加した。

所詮、模擬であるからこれだけで
全てを結論付けることは出来ないが
予想は的中。

国力がモロに発言力に影響するGeneral Assemblyの議会で、
各国が自分の国益のみを考えてぶつかり合う。
やっと法案が通ったと思えば、常任理事国が出てくる。

途上国が実際に直面している問題なんて関係ない。
問題なのは、
いかにタイミングよく発言権を得、
いかに主要国の協賛を得、
いかに法案に自国の国益になるようなコンポーネントを盛り込むか。

''Your mission is to promote your country's national interest as much as possible through international system.''

会場でこの言葉を聞いた瞬間、俺の国連への期待は消し飛んだ。


もちろん、国家の存在理由はその存続と国民の庇護であるから、
国益を考えるべき、という考えそのものには反対しない。

だが、この極端な国益主義は、
国連憲章に掲げられた理念を完全に無視していないか?

Preamble: We the people of the United Nations determined...

---to practice tolerance and live together in peace with one another as good neighbours, and

---to unite our strength to maintain international peace and security, and

---to ensure, by the acceptance of principles and the institution of methods, that armed force shall not be used, save in the common interest, and

---to employ international machinery for the promotion of the economic and social advancement of all peoples...  (my emphasis)

(Charter of the United Nations)


この理念はどこへ行った?

国連のメンバーは、
他国を良い隣人として寛容をもって受け入れ、平和に共存し、
国際平和と安全を維持するために協力し、
共通の利益以外での武力を除いた方法を用い、
全ての人々の経済的、社会的発達を促すために国際機関を用いる。

この国連憲章からすると国連は、
「ただ各国が国益を主張して妥協点を探る場所」
では無いはずだ。

この国連に対する不信から始まり、
WB、IBRD、IMF、ODA・・・
他の、トップダウン式の国際機関や
そのしくみ全体に疑問を持つようになった。

上から下へ資金投下、現場を知らずに発展途上国を援助、
これは、自分が本当にやりたいことではない、と感じるようになっていた。



では、NGO、NPO?

ボトムアップのNPO、NGOなら
現地の人々と関われるし、
自分の行動がそのまま効果として表れ、
やりがいもあるのでは?

確かに。それはそれで非常に魅力的だった。
スープキッチンでボランティアをした時にも思ったけど、
ボランティアをしている時は目の前で人の笑顔を見られるし、
何より自分が必要とされている感じがした。

ただ、このような現地の人と携わる活動の中で、
自分が生涯を捧げてやりがいを感じられるかどうかは疑問だった。

この活動で言えば、自分がいくら食事をホームレス達に作っても、
ホームレスの数は減るわけではないし、結局のいたちごっこ。
NGO・NPOの活動に身を投じても、いつか徒労を感じてしまうのでは?
と思った。

そして、幾つかのNPO・NGOを調べていて気付いたのは、
活動の実態を掴みづらいこと、
団体の数が星の数ほどあり、絞りづらいこと、
明確なキャリアプランを定めづらいこと、
(将来をイメージしづらい)
そして、給料が低いこと。

計画立てて自分を成長させていきたい自分にとって、
キャリアがどれだけイメージできるかはとても大事だった。
団体も活動も星の数程あり、自分をその中の一つの
どこに位置づければいいのかが分からなかった。

そして何より、給料が低い。
月10万円なんて当たり前。
こんな給料では単純に生活できない。
調べてみると、スキルと実績のある国際開発のプロでさえ、
同じような給与水準で雇われることがしばしばあるらしい。

裕福でもない家から半ば強引に、
スカラーシップまでもぎ取ってどうにか留学した俺は、
これ以上親に心配も迷惑も掛けたくなかった。

将来的にNGO・NPOに関わることはあるかもしれない。
しかしまず、自立して、自分で責任を持たなければ。

こうして、NGO・NPOは、俺の選択肢から外れた。



考えた末、また振り出しに戻ってしまった。



僕はこの世界で何ができるんだろう。



また同じ質問を繰り返す。無限ループ。



自分のこの考え方は間違っているのかな?
自分が納得する国際貢献のカタチなんてあるのかな?
自分は所詮、批判的なだけで何もしないだけなのではないのだろうか?



不安が募る。



それから逃げるようにして、
ことさら勉強に打ち込むようになった。




そんな時、いつものようにネットで新聞をチェックしていた時、ある記事に出会う。




それが全ての始まりだった。



Imayu



思い出して胸が苦しくなってきた(苦笑)→ 

 

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HN:
Imayu
年齢:
38
性別:
男性
誕生日:
1985/05/13
趣味:
ドラム・筋トレ・読書・旅行・絵描き・マグカップ収集 etc...
自己紹介:
英語偏差値30の高校時代を経て、カナダ東海岸、St.Thomas Universityに留学。政治科学と人権学を専攻。専門はアフリカ人権問題とドイツ政党政治。2009年4月付けで、某財閥系総合商社へ入社。

先進国に生を受けたからには世界を相手に何か出来る事が、すべき事があるんじゃないか。「『日本人として』、世界という舞台で闘い、途上国の人々の未来を創る」という夢に向かって邁進中。ビジネスを通した途上国貢献の道を模索中。

''Watch your thoughts; they become words.
Watch your words: they become actions.
Watch your actions: they become habits.
Watch your habits; they become character.

Watch your character; for it becomes your destiny.''

※メール→imayu_canada[at]yahoo.co.jp(ブログ用)
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