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英語偏差値30からカナダ東海岸St.Thomas Universityに留学。卒業後2009年4月、某財閥系総合商社へ入社。
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寒!!! 最近一気に寒くなってきたよ。
気温は朝だと2度とか。もうすぐ秋が終わる。
そうするともう1日に3度とかみるみる気温が下がっていって
気がついたらマイナス20度!!!なんて事に。
秋の紅葉は長くて一週間。今年はちゃんと写真に収めよう。
短いだけあってその分綺麗だし感動するよ^^


じゃあ今日は早速、カナダの闇に迫ります。

''How Canada failed citizen Maher Arar''
(カナダはどうやって国民
                         マヘル・アラーを見落としたのか)
                                 -Sallot, Jeff. The Globe and Mail. 19th. Sep. 2006: A1.

2002年、シリアからの移民であるカナダ人、マヘル・アラーは
NYのケネディ国際空港からカナダへ帰る途中、アメリカに
テロリスト容疑者として逮捕された。
そこでカナダの警察(RCMP)は、
アラーがテロリストではない、と証明する事ができず、
アラーはシリアへ強制連行される。
1年後、シリアで極度の虐待を受けたアラーは、
テロの容疑を払拭し、カナダへ奇跡的に帰国する。
そして2006年9月18日、
なぜアラーがテロの容疑者と見なされたのかをめぐって、
裁判所での照会がRCMPと共に行われた。
その照会で、アメリカ側がRCMPにアラーの情報を求めた時、

1.RCMPがアラーに不利な、しかも間違った情報をアメリカに与えていた事
2.その手続きを経験の浅い職員に任せていた事
3.シリアのカナダ領事が刑務所を訪れた時、アラーが虐待されていたという
 事実を注意深く確認しなかった事
4.RCMPがDEFAIT(貿易外交省:日本で言う外務省)と
 協力しなかった事でシリア出国が遅れた事
5.カナダの政治家が、アラーが虐待されていたという事実を信じなかった事
6.RCMPが政府に不適切な情報を送っていた事(いくつかの項目を除外)

・・・以下続く

という事実がわかった。
882ページに及ぶリポートで、RCMPの不適切な対応が露わになり、
RCMP長官、Giuliano Zaccardelliは責任を強く問われている。

retrieved from The Globe and Mail.
(ハーパーと話しているのがGiuliano Zaccardelli)

これはひどい。全くテロと関係のない人が一方的に疑われて、
中東に強制的に送られて、しかも虐待されていた。
生きて帰ってきたことが奇跡だと思う。
虐待されていた間は、おそらく「私はテロリストです」
って宣言する事を強要されていたんだろう。
でも身に覚えがないんだから白状のしようがない。

日本だと、「虐待」って聞くと、
幼児虐待とかを思い浮かべると思うけど、
世界的な視点で見ると、
虐待が世界的に認識された
深刻な罪である事が分かる。
国連では、1987年から、

Convention against Torture and Other Cruel,
             
Inhuman or Degrading Treatment or Panishment
(虐待、その他の残酷な、非人間的な、
                   もしくは侮辱的な扱いや刑罰に対する協定)

っていうのが締結されてる。
人権を守るに当たって、
国連はこういう協定を沢山作って
各国の自主的参加を募っているんだけど、
カナダはもちろんその全てにサインしている。
日本もほとんどサインしてる。
アメリカ、中国、ロシアとかはほとんどサインしていない。
これが現実。

だから、
多文化が共存し、人権を固く守る、
をモットーにしてるカナダにとっては、
(※カナダの憲法には人権を保障する項目がある:
    Canadian Charter of Rights and Freedom)
今回のアラーの事件は大大大大大大問題
今回の虐待事件は、明らかな人権侵害であり、
それはカナダの憲法違反である

この直接の原因は明らかにRCMPの仕事の粗さなので、
憲法を破ったのはRCMPだと言える。
しかも国際的に注目を集めれば、
カナダの人権大国としてのイメージは叩き崩される。

メディアは挙ってRCMPの非難を始めた。
最高裁判所の裁判官が
RCMPに直接構造改革案を出したり、
長官の生い立ち から性格まで調べ上げて
すべて報道してる。すごい。
一見すると見落としてしまいそうな事件だけど、
カナダっていう国のあり方さえも
変えてしまう可能性もある事件なので、
メディアの反応がものすごい。

確かにこの事件はひどすぎる。
アラーが疑われたのは、
「彼がアラブ人だから」以外の何物でもない。
そしてカナダの警察の無力さ。
アメリカの圧力に何もできない、市民の英雄。
アメリカという強国への追従と、
自国の理想を守る、というジレンマ。

RCMPはもちろん責任をとるべきだけど
その長官だけじゃなく、
その手続きを担当した職員も、
アラーの虐待を見逃した領事も、
それを信じなかったバカな政治家も、
全員責任を問われるべき。

カナダは人権大国だって謳ってはいるけれども、
9.11以降のアメリカのWar on Terror政策に
最も影響を受けているのも事実。

''Overnight, Ottawa became almost obsessively security conscious, and the Security State kicked into a high gear it had not enjoyed since the Cold War''
「一夜にして(9.11)、オタワ(カナダ連邦政府)は取り付かれたように保安に対して注意を払うようになり、そして、冷戦以降初めて、安全保障のギアはトップへと蹴り上げられた」
                        (Whitaker, Reg. ''The Security State.'' Canadian Politics. 2004.)

アメリカと共に行う安全保障。
それによって得る事もあるかもしれない。
ある程度アメリカに追従する事も必要かもしれない。
しかしそれにはいつも影が付きまとう。
その影に侵されるのは、その影によって被るのは、
政治家ではなく、市民である。
その影に人権という光をさしてあげられるかどうかが
カナダという国が国民を守る、という事。
もうカナダは二度と国民を見落としちゃいけない。


米国との安全保障 vs. 人権保障

カナダという国のアイデンティティは、光と影の間で揺れ動く。


熱く語ってしまった。。。
こういう人権がらみの事件は放っておけない。
と、いう事で、カナダを例に挙げて
人権保障とアメリカとの関係をちょっと考察してみました。

それと、アメリカとの関係を重視するあまりにその影に気づかず、
気がついたら真っ暗になっていた、なんて事にならないように、
今本当に自分が何をすべきで、何処に注意を払うべきか、
なんて事を考えられるようになれたらな、なんて思います。
カナダだけの問題じゃないので。

え~っと、これからちょっと大学の勉強がピークになりそうなので
ブロぐの更新ペースが遅れると思います。
コメントは毎日チェックするので、どんどん下さい^^
ニュース批判に対する賛成、反対、どちらも大歓迎^^
それでは。

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Imayu
年齢:
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男性
誕生日:
1985/05/13
趣味:
ドラム・筋トレ・読書・旅行・絵描き・マグカップ収集 etc...
自己紹介:
英語偏差値30の高校時代を経て、カナダ東海岸、St.Thomas Universityに留学。政治科学と人権学を専攻。専門はアフリカ人権問題とドイツ政党政治。2009年4月付けで、某財閥系総合商社へ入社。

先進国に生を受けたからには世界を相手に何か出来る事が、すべき事があるんじゃないか。「『日本人として』、世界という舞台で闘い、途上国の人々の未来を創る」という夢に向かって邁進中。ビジネスを通した途上国貢献の道を模索中。

''Watch your thoughts; they become words.
Watch your words: they become actions.
Watch your actions: they become habits.
Watch your habits; they become character.

Watch your character; for it becomes your destiny.''

※メール→imayu_canada[at]yahoo.co.jp(ブログ用)
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