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英語偏差値30からカナダ東海岸St.Thomas Universityに留学。卒業後2009年4月、某財閥系総合商社へ入社。
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こんばんは。
もう週末が終わる。早いよ。
図書館しか行ってないし。笑
もう少し色のある生活したいよねぇ。
でも、図書館に行く度に
一緒に名誉プログラムを取っている
クラスメイトの誰かしらに会うから触発される。
(6人しかいないからもうみんな友達だよね)

さて、今夜はもう少しリサーチの方法論を勉強し、
(behaviouralism, institutionalism, rational choiceなど)
カナダ憲法のケースを1,2個読み、ちょっと企業研究し、
日記を書いて寝ます。何時になる事やら。
その前に、前に書いた日本とドイツ 二つの戦後思想』 by仲正昌樹
を読み終わってからずっと書いてなかったので、さらっとレビューします^^



第二次世界大戦においての敗戦国、ドイツと日本において、
戦争責任のとり方国の再建における国家論
マルクス主義(共産主義)ポストモダニズムの変遷
の4つの分野で比較をする事を目的として、

なぜ日本は戦後正式謝罪せず、ドイツはこれほどまでにするのか
国とはどうあるべきか。国というものをどう定義づけるか
戦後の不安定な社会での高揚が懸念された共産主義の立場は?」
ポストモダニズムにおける学会と社会の反応は?」


というような質問に答えていく。
大抵の人にとって、最初の問題以外は
あまり馴染みが無いと思うので、あえて感想は
最初の、「戦争責任」について重点的に述べます。

彼の指摘する日本とドイツの戦争責任のとり方の違いの原因は主に5つ。

1. ドイツのニュレンベルク国際軍事裁判では、Crimes against Peace(平和に対する罪),War Crimes(戦争犯罪), Crimes against Humanity(人道に対する罪)の区別がはっきりしていたのに対し、日本ではこの区別があいまいであった。よって、ドイツは、国家が犯した罪をはっきりと「人道に反する罪(人としてしてはいけない事)」として広く受け取った事

2. 国際社会とのインタラクションに晒される機会が、ドイツの方が地理的に日本と比べて多く、戦争責任に対する謝罪の必要性が高かった事、

3. 日本では、東条英機、松井石根などを含めほぼ全ての戦犯達が裁かれたのに対し、ドイツでは、ヒトラー、ヒムラー、ゲッベルスなど、直接ユダヤ人虐殺のイニシャティブを執ってきた政治家達が既に自殺しており、国家が計画的にやった事なのか、個人がやった事なのかの区別がつきづらくなった事

4. ドイツでは、戦後すぐに、戦争責任は国家、政治化だけの罪ではなく、人としてユダヤ人虐殺を止められなかった国民全員に原因があり、それは個人で追求し続けなければならない、と説いたカール・ヤスパースの思想が広まり、日本ではそのような思想家を欠いた事

5. 唯一の被爆国の立場からくる日本の被害者意識、「反核運動」などによって、日本がした戦争犯罪があいまいになりがちである事。

彼のポイントは非常にわかりやすくて、
難しいカール・ヤスパースの哲学的理論も非常に易しく書いてある
俺が考えていた、国際社会のプレッシャーの違いも見事に捉えてくれ、
しかも国内政治レベル、哲学的思想レベル、など、より細かい視点からも
違いの原因を鋭く指摘してくれている。

かなり複雑な思想論も広く述べている。それでいてとてもわかりやすい。
「戦争責任」以外のセクションは、少し政治用語
(右翼、中道左派、ポストモダニスト、レーニスト、etc)が
増えてくるので、政治にあまり興味が無い人には退屈かもしれない。
でも、全体的に非常に解りやすく、
日本とドイツの比較を常に意識しているので、
比較を通してイメージがわきやすい。


ドイツと日本の違い、
それからドイツから学ぶ事、逆に避けるべき事、
色々考えられると思います。
沢山の情報を解りやすく伝えてくれる良書です。

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HN:
Imayu
年齢:
38
性別:
男性
誕生日:
1985/05/13
趣味:
ドラム・筋トレ・読書・旅行・絵描き・マグカップ収集 etc...
自己紹介:
英語偏差値30の高校時代を経て、カナダ東海岸、St.Thomas Universityに留学。政治科学と人権学を専攻。専門はアフリカ人権問題とドイツ政党政治。2009年4月付けで、某財閥系総合商社へ入社。

先進国に生を受けたからには世界を相手に何か出来る事が、すべき事があるんじゃないか。「『日本人として』、世界という舞台で闘い、途上国の人々の未来を創る」という夢に向かって邁進中。ビジネスを通した途上国貢献の道を模索中。

''Watch your thoughts; they become words.
Watch your words: they become actions.
Watch your actions: they become habits.
Watch your habits; they become character.

Watch your character; for it becomes your destiny.''

※メール→imayu_canada[at]yahoo.co.jp(ブログ用)
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