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英語偏差値30からカナダ東海岸St.Thomas Universityに留学。卒業後2009年4月、某財閥系総合商社へ入社。
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いつもの事だけれど、
また彼女とケンカをしました。

ケンカといっても、「お前ムカつくんじゃい!!!」とか
「あたしのプリンはドコなのよ!!!」みたいなシリアスなケンカではなく、
まあよくある、世間話をしているうちにお互いの専攻の話に傾向していき、
そこから派生して、世界だったり政治だったり
宗教だったり生き方に対しての主張がぶつかる。

そしてバックグラウンドが違うので、
もちろんお互い一歩も譲らず、
同意するところまで至らず。

今回は宗教ネタ。
彼女の専攻は人類学と宗教学。
俺の専攻は政治科学と人権学。

違いすぎるので衝突します。もちろん。
特に、宗教に対して批判的な自分とは(経験、知識含めてね)。

宗教なんてのは、「批判的」に考えただけでも「否定的」と取られてしまうくらい
センシティブなトピックなので、俺も彼女以外とはあまりこの話はしません。

さて、彼女のブログに彼女の主張が書かれていました。
だから、コントラストの意味で、俺も少しだけ書いておこうかな、と。
後から書くと、相手の主張に対して批判的になってしまうのかもしれないけど、
おそらく彼女の考えは沢山の人にシェアされている考えだろうと思うので、
政治科学に対する誤解を解く意味で、質問形式で考えたいな、と。

よく聞かれる質問を扱います。



Q1: どうして政治「学」じゃなくて、政治「科学」なの
   政治は「科学」じゃないでしょ

本当によく聞かれる。「学」、と「科学」、の違いは、前者は、事実を学ぶことであって、
後者は、物事(の因果関係)を仮定し、検証し、一般化(Theorize, Generalize)し、
物事を予測すること。


政治の予測なんて完全に不可能でしょ?と言われる。うん、その通り。
だからこそ、政治的リーダーの性格、民主主義だとか共産主義の傾向、
それが人に与える影響、歴史的イベントの影響、その原因、などなど、考えられる
あらゆる角度から物事を関連付けて予測する。

角度が増えれば増えるほど、予測する時の「例外」(exception)が減り、
精度の高い予測が可能になる。

政治科学の「科学」は、事象を学ぶだけに留まらずに、
その事象を関連付けて未来を予測してやろう、という野心、気概を含む。

だから、政治科学の授業では、事実を知っていることが前提で話が進む。
教科書はあるけど、授業の前にその内容を知っている事が前提。
その内容を使って、自分がどう思うか、これはどこに繋がっているのか、
お互い主張し合って、「例外」を指摘しあって、一番説得力のある結論に達する。

もちろん結論が出ない時の方が多い。
それでも、各個人が持っている考えは、
その議論を通して間違いを指摘しあった結果、
精度(説得力)が高まる、と言っていいと思う。



Q2: 政治科学の目的って何?なんで政治科学やってるの

未来を予測して、問題を未然に防いで、より良い世界を創るため。

これはちょっと俺の考えに近いな。
でも、因果関係を発見して、その上で何をするのか、で言ったら、
こういう結論に達する人って結構いると思う。

上記の「科学的」アプローチで、因果関係が分かる。
そうしたら、Aが起こったらBが起こる傾向がある。って繋がりがわかる。
Bが悪いことだったら、Aが起こった時にどうすればBを防げるか。
Bが良いことだったら、Aをどう起こせるか、起こったときにBにどう繋げるか。
そんなことができるんだよね。

例えば、経済が混乱していて労働階級の人達の不満が溜まったとき、
自国にいる少数派民族に責任を押し付けて、のし上がろうとするリーダーがいる。
ヒトラーだ。

もし今世界のどこかで、経済が混乱していて、労働階級が沢山いて、
民主主義で(爆)、民族のバラエティが豊富な国があったら、
ナチズムの台等の懸念がある。

ホロコーストなんて二度と起こしちゃいけない。それは事実。
だから、それを防ぐ方法を考える。

1997年のインドネシアもそう。
民主主義と資本主義が導入されてアジア通貨危機が起こった結果、
人口の5%でありながらインドネシア経済の90%を掌握していると言われる
華僑
の人達への不満が強まり、5000人近くが亡くなる動乱が起きた。
国会内での混乱も強まり、スハルト大統領は辞任。
ヒトラー現象が政治的リーダーのいない民間レベルでも起こることがわかった。

アジア通貨危機を予測する事は難しかったけど、
発展途上国でこんな事が起きないように、どうすればいいのか考える。

国連の創設なんてのは、過去から学んだ結果
として見やすい(その中にも問題は山積みだけど)。

こうやって、悪いことはその原因を探って防ごうとする。

いい事で言えば、環境問題。
どうして環境問題を意識するようになったのか、
どうやったら人がもっと環境を意識するようになるのか、
どうすれば国がもっと環境を大切にするようになるのか、
考えに考えた結果、京都議定書の、
CDM(Clean Development Mechanism)なんてのが出来た。

「結局、人は昔から自分の欲望で、国家は国益で動く」
(真のモラル国家なんて存在しない)
ということを過去の検証で学んだから、国益+環境保護の両面を満たす
システムを考え出した。実際に排出権取引は環境保護に役立っているし、
これからも長い目で伸びていく。

そして今年から、国連が排出権承認のハードルを厳しくした。
国益、利益を考えて、より安く、より簡単に取引をしようとする会社が増えるから、
ハードルを上げて審査を厳しくしよう、という考え。

歴史の因果関係を見て、楽観的、理想的に、「人はよい生き物だ」なんて
考え方をするのではなくて、私益と公益をどう結びつけるか、
そういう実践的なことができる。
(もちろん、楽観的、理想的な考え方をする学者も沢山いる)

こうやって、政治科学は、未来を創るお手伝いをする。



Q3: 政治なんて、所詮地図の上から世界を見てるでしょ
   そこに暮らしている人のことなんか考えてないでしょ

ワンピースのロビンちゃんの台詞をパラフレーズ。
そうだね。これは全く否定しない。
前のエントリーで書いたように政治科学にはすさまじいドライさがある
そういう時は、俺も政治科学が心底嫌になる。

1994年のルワンダ。他民族国家でお互い対立していたし、
その時国のリーダーが暗殺された。それを引き金に、
フツ族によるツチ族10万人の大虐殺が起きた
国連があったにもかかわらず全く役に立たず、
駐留していた諸外国はさっさと撤退。

こんなイベントでさえ、「10万人が死んだんだ。」
「原因は国連の問題と外国の撤退だね。」
なんて堂々と(当たり前の)議論をするのにはうんざりする。

このマイナス面。
俺はこのドライさが嫌で、人権学を取ってる。
その地に住む人の悲しみ、苦しみを一番身近に感じる学問だから。
政治の闇の部分を痛い程感じる。そして、
自分には何ができるのか、何をすべきなのか、が見えてくる。
政治学のドライさ―人権学のシンパシー、でバランスを取ろうと思ってる。

俺はこうやって折り合いを付けてるけど、
どうやってそうするかは自分次第。
付けないでのん気に政治を勉強する政治フリークもいる。
そういうやつは俺もダメだ。

この質問に対して、一つだけ言っておきたい事もある。
「世界を地図の上から見ている」のは国際関係学、
政治科学そのものではない。

政治にもいろんな次元があるわけで。
文化、社会、政治システム、民族、
性別、法律、宗教、経済、国、心理、
社会の枠組みに当てはまるものはほとんど扱う。

このうち「国」を扱うのが国際関係学。

文化、社会なんてのを見ていくと、
「どうして今昔と比べて人々は地域コミュニティに参加しなくなっているのか」
なんて質問を考えたりする。
地域コミュニティに参加しなくなる→
人と人との繋がりが少なくなる→
人々の信用の低下→社会の不安定化
こんな質問にも答えます。

どうして人間同士の信用が減っているのか?
その悪影響は何か?
どうしたらそれを防げるのか?

この質問に答える時、
政治科学は、その地方の文化、デモグラフィ、
人々のライフスタイル、あらゆるところに仮説を立てて検証します。
彼らが一日のうちにどれだけテレビを見て、
いつどんなコミュニティに参加して、
それらに対してどう考えているのか。
できるだけ細分化して考える。

完全に「個人」の生活にフォーカスを置く事なんて出来ないけど、
(そういうことはエスノグラファーにお任せします)
これは、地図の上から人を見ているの言えるのだろうか


それは違うと思う。
他の学問にもいろんな次元があるように、
政治科学にも色んな次元があります。

政治科学、その他の学部の生徒達が避けるように、
Over Generalizationは危険。



Q4: なぜ政治科学部の人達は民主主義万歳なの

政治学者にも民主主義反対の人はいるよ、沢山。
確かに民主主義万歳の人も沢山いるけど、そうじゃない人も沢山いる。
プラス、政治科学を勉強していない人は、民主主義=資本主義、と捉えがち。
違う。

1917年のロシアの10月革命。
血族のみでロシアの政治を完全に掌握していたTsar王政は、
シベリアに追放されていたレーニンが帰ってきたこと、
第一次世界大戦で大失敗したことによって潰れた。

これは、ロシア人の大多数の人が、
Tsar王政に不満を持っていて一致団結したため。
大多数の人の意見が通り、その結果、
ソビエトの社会主義国家が出来た。
ソビエト連邦は、民主主義のマニフェステーションだと言える。

社会主義でも資本主義でも、民主主義はありえる。
ただし、ヒトラーも民主主義によって生まれた。
レーニンの後にロシアで合理主義的大虐殺を行った
スターリンも民主主義を基にして生まれた。
民主主義がいつでも良い、なんてことは絶対にありえない。

民主主義はいつでも良い、なんて思っているのは
一部の欧米の人達、プラス、何も考えてない人達。
冷戦を知らない世代の自分達は特に、
民主主義=資本主義という意識を持ちがち。

でも実際にそうではないし、
ただただ世界がその流れにあるだけであって、
政治科学者みんなが民主主義が良い、
と思っているわけではない。



と、政治も色々あります。
政治って、知ろうとしないと全く分からないわりに
常に身近にあって感じるものだから、誤解を生みやすい。

長くなり過ぎました。
続きはそのうち質問が集まれば。

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無題
どうも、初めまして☆ゆきさんのブログから飛んできました。

ざっと全文を読ませてもらいました!
知らない人に突然こんなことを聞くのは失礼だと思いますが、海外の大学に通いながら日本語力(?)を維持できるコツみたいなものはありますか??
授業は全部英語で聞いていて、教科書も教授ももちろん英語。それでいてその内容を日本語でこんな風にハッキリ書けることに感心しました。
大学の勉強と並行して日本の本を読んだりとか、何か気をつけてることがあったら教えて下さい☆
しん EDIT
at : 2007/10/30(Tue) 08:33:44
無題
>>しんさん

初めまして^^コメントどうもありがとうございます。ゆきがPEIでお世話になりました^^

日本語を褒められたのは初めてですね。笑 もともと国語が苦手なので。分かり易く書くことは常に意識していますが。

日本語力を維持する・・・このブログが一番の理由じゃないでしょうか。笑 もともとこのブログは、90%自分の考えで、10%が学校で学んだことなので(今回のエントリーも含めて)、自分の頭の中で消化して書いているだけです。政治の事を考えるときは英語ですが、それをブログで定期的に日本語で出力することで、良い訓練になっているのかな、と思います。

書くことプラス、毎日入ってくる政治の情報を人と沢山シェアする事で、伝え方が分かってきたのかな、とも思います。英語のニュースも日本語のニュースも毎日読むので、それが二ヶ国語のブリッジになっているのかもしれません。

日本語の本は好きですが、学期中は読む暇がありません。笑 日本に帰ったときにガーっと読みます。読むこと自体より、本を読んで、その後で人に説明する時に、伝え方も学べる気がします。

あとは、この夏の就職活動で、常に自分をヒトに伝える環境に置かれたことで、力が付いたかな、とも思います。

「コツ」なのかどうかはわかりませんが、常に自分の頭で物事を消化して、自分の言葉で人に伝える。この繰り返しじゃないかな、と思います。

書くのは英語の方が断然得意です。笑

実は、ゆきを通して、しんさんとお話してみたいな、と思っていました(Maritimeの数少ない日本男児ですし。笑)。

これから連絡取り合いませんか?^^
Imayu EDIT
at : 2007/10/31(Wed) 05:28:11
無題
おー、さっそくの返事ありがとーございます!あんまりブログは更新しないみたいなんで、返事は一ヶ月くらい先になるかなぁーなんて考えてました。笑
...って、実は同じ年なんですよね、俺ら。もう知り合いになったということで、こっからはタメ口で...良いですか??

 知らない人の突然の質問にきっちり答えるその余裕に驚き&感謝☆学期中なのに...ゴメンなさい。でも、めっちゃ参考になるわ。ほんとにありがとー!!
 俺は卒業したら日本で就職しようと思ってるんだけど、PEIになると不安になることばっかりで...。というのも、日本人留学生がほとんどいないから、自分が学校でうまくやっているのかまったくわからない!!他の日本人の英語力は?成績は?卒業後の進路は??日本語忘れたりしないのかな?ネイティブの友達がいないのって俺くらい?etc.

 ...とまぁーこんな感じで、同じ留学生(しかも男!笑)のImayuさんと知り合いになれてかなり嬉しいでっす!!

 長くなっちゃったけど、良かったらホットメール、登録してください☆
メアドは"itukadeau"、ゆきさんも知ってるからよかったらそっちに聞いてください。
 再見☆
しん EDIT
at : 2007/10/31(Wed) 12:49:19
お~♪
なんだか友好関係♪
日本男児(しかも眼鏡率が高い)♪

慎くん元気~??UPEIで寂しい思いをしてるんですか?苦笑。もうすっかり冬ねぇ。。島の皆の事が心配です!
(あ、来週のりさんが来てくれるみたいやけど君は来ないの?火曜はクラス?)

あ!そういえば二人ともエヴァ好き。。笑
仲良くね☆
Amy aka ゆき EDIT
at : 2007/10/31(Wed) 14:23:38
来週遊びに行く予定です。
こんにちは。
のりです。
初めまして。
来週遊びに行く予定なんでよろしくです。
エヴァとか社会学とか好きです。
Maritimeの数少ない日本男児のはずですー。
面白い話で着たら良いなぁ。
Nori EDIT
at : 2007/11/01(Thu) 15:08:09
無題
>>のりさん

あ、どうも初めまして^^ゆきを通してお話を伺っております^^

マリタイム日本男児がこんなところにも。笑 しかもエヴァ好きとは。笑 PEIの話も含めて色々お話したいですね^^ 場所と時間が合えばいいのですが。。。◎
Imayu EDIT
at : 2007/11/02(Fri) 13:57:57
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HN:
Imayu
年齢:
32
性別:
男性
誕生日:
1985/05/13
趣味:
ドラム・筋トレ・読書・旅行・絵描き・マグカップ収集 etc...
自己紹介:
英語偏差値30の高校時代を経て、カナダ東海岸、St.Thomas Universityに留学。政治科学と人権学を専攻。専門はアフリカ人権問題とドイツ政党政治。2009年4月付けで、某財閥系総合商社へ入社。

先進国に生を受けたからには世界を相手に何か出来る事が、すべき事があるんじゃないか。「『日本人として』、世界という舞台で闘い、途上国の人々の未来を創る」という夢に向かって邁進中。ビジネスを通した途上国貢献の道を模索中。

''Watch your thoughts; they become words.
Watch your words: they become actions.
Watch your actions: they become habits.
Watch your habits; they become character.

Watch your character; for it becomes your destiny.''

※メール→imayu_canada[at]yahoo.co.jp(ブログ用)
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